どうも、りょうちんです!
今更感が半端ないですが、2016年に世界中で大ヒットした映画『君の名は。』の映画レビューを書きたいと思います!
この映画は公開中に観ることが出来ず、後にDVDを購入してじっくり観ました。
そして、回数だけで言えば人生で一番観た映画で繰り返し繰り返しもう数十回は観たほどに大ハマりした映画であります笑
それぐらいにテンポよく、観やすい映画ですが、内容はなかなかロマンチックな上に、「くっそー、やられたわ!」といった好シーンなど、細かな描写まで見逃せない内容となっています。
そんな、近年の大ヒット映画『君の名は。』の感想を、まだ観たことが無い方は興味を持っていただき、もう観たことがある方にも、もう一度見たいと思わせるように、感想を述べたいと思います。
それにしても、相当な長文になりましたのでご覚悟を笑
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(以下ネタバレと個人的な、『君の名は。』愛が含まれますので、温かい気持ちでお付き合い下さい。)
目次
『君の名は』感想
あらすじすら面白い
物語はもはや説明不要ですが、振り返る意味でもサクっとあらすじを。
千年ぶりとなる彗星の来訪を一か月後に控えた日本。
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉はある日、自分が男の子になる夢を見る。
見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み…。
一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も、奇妙な夢を見た。
行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ…。
繰り返される不思議な夢。
そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。
二人は気付く。
「私/俺たち、入れ替わってる!?」
いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。
残されたお互いのメモを通して、状況を乗り切っていくが、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。
入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。
「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」
辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた……。
出会うことのない二人の出逢い。運命の歯車が、いま動き出す。
「ベタ」こそ面白い
このあらすじから見える「また、この設定かよ~」感ですが、僕も同じように思っていました。
しかし、観終わって気づいたことがあります。
「このベタな設定こそが、僕たちが観たかった物だ」ということを。
つまり、僕らはどこかで欲しているんだと思います。
「もう飽きた」とか「新鮮味が欲しい」とか言っちゃいいますが、この「ベタ」こそが好きなんです。
「あいつと俺は幼馴染で…」とか、「転向した俺の隣の席には…」とか、「食パンをかぶったまま交差点を曲がると…」、「ドリルすな!」「つまらない物にはメーン!」などなど、僕たちはベタが好きなんだ!というのを思い出させ、また痛感した作品であります。
初見殺しに注意!?
そんなベタな設定に感じた気持ちでしたが、いざ、映画が始まると全く気になりませんし、そんなこと思う暇もないぐらいにストーリーは展開されます。
また、最初に瀧君が三葉に入れ替わって、おっぱい揉むシーンは全国の親御さんにとっての初見殺しとなってはいますが、二人が入れ替わるのも入れ替わった先での生活、3年のずれが合ったことに周りの変化で気づかなかったのか?などの若干の突っ込みどころも、個人的にも格段気にもなりませんし、そこはアニメとしての設定で考えれば十分に理解できる範疇です。
それよりも、初見では気づかなかったことが、2度、3度観ていくうちに気づいたり、理解できるという点が非常に多く、ぜひ、何度も何度も繰り返し観てほしいと思える作品で、深く掘れば掘るほど、観れば観るほどにたくさんの発見が出来る作品だと思います。
序盤の必見シーン
そして作中で、まず必見!とするシーンは、おそらく、あのシーンが真っ先に挙げられるんではないでしょうか・・・?
絶対に観てほしいシーンです。
そうです、あのシーン・・・
三葉(瀧)たちが自販機の横にカフェを作るシーンですね!(そっちかい!しかも一瞬やし!
あのシーンは、ちょうど三葉と瀧君が自分たちが入れ替わってることに、ようやく気づき、『前前前世』の曲と相まって、物語がまさに今、始まったような、疾走感溢れる良シーンです。
伏線は至る所に!見逃すな!!
ここは、序盤にテッシーが、三葉とサヤちんに「そんなことより、カフェに行かんか?」という伏線からなるシーンですが、瀧君が建築関係の仕事に興味がある伏線など、思わず、「おっ」となるシーンで、瀧君が三葉として生活することに慣れてきていることや、この親友二人と上手く接することが出来ているのが想像出来たりと、個人的にとても好きなシーンです。
鳥肌物!ここを観ろ!
そしてそして、お待たせしました、大多数の支持を受けるであろう、涙した人は数知れずの見逃せないシーンは、こちらですよね。
そう、みんなの誘導を始めた時に、あの人の名前を思い出せなくなり、町長(お父さん)に向かって走り出した三葉がつまづいて、「いや、それはやばいやろ…」と思わされるほどに大けが必須級に派手に転んで、手の平に書かれた名前を想いだし、手の平をゆっくり開けていくシーン、
「これじゃあ……、名前…、わかんないよ。」
いや、このシーンはマジでヤバいです・・・。
今、文字書いてても「良いシーンだったなぁ」と思いましたし、
初めて観たときは「いやー、そうくるか!」・・・と。
てっきり、「瀧」って書いてあるもんだと思うじゃないですか!?
「瀧君、「瀧」って漢字で書きにくいだろうから、どうやって書いたんだろうか…?」とか上げ足取るような気持ちで観ていた僕の気持ちをあざ笑うかのようで、ここは新海監督もしてやったり、だったんじゃないでしょうか?笑
しかしここで、自分から「名前書いとこうぜ」とか言ったくせに、「なぜ、瀧君は自分の名前を書かなかったのか?」という疑問にもぶつかります。
滝君の考察
「自分の携帯の日記が消えたのを思い出し、お互いが存在する(した)証拠になるものは消えてしまうと考えた」
なんて、コナンくん並みの推理力を持ち合わせていた可能性もなくはないですが、これはきっと、名前を書こうとしたけど、心が、気持ちが、体よりも先に動いて、書かされた。
全てはここに繋がる。
つまり「僕の心が 僕を追い越したんだよ」というこの映画の鍵にもなるような、・・・というか、この曲のためにこの映画はあるのか!?とさえ思わせる名曲、そう、『なんでもないや』の歌詞にも繋がる部分です。
その他にもOPで使われた『夢灯篭』、物語の始まりを示唆してたような『前前前世』、まるで彗星のような『スパークル』と、先の『なんでもないや』の全4曲が劇中で使用されていますが、この『君の名は。』という映画は、RADWIMPSの新作長編PVなんじゃないかなっとも思うほどに、僕がこれまで観てきた映画やドラマに今までなかったレベルで、楽曲と映画全体とが溶け込むかのように重なっていて、映画を引き立て、また、楽曲が映画に引き立てられている印象を受けます。
だから、最後の電車でお互いを見つめあうシーンがさらに引き立つんですよね。
ガタン、ゴトン
ガタン、ゴトン
「「・・・ずっと、誰かを・・・、探していた!!
」」
{♪僕らタイムフライヤー♪
のところは、鳥肌物です。
ラストシーン考察
そしてそして、このラストシーン、階段で二人がすれ違うところ、この時、よーく観て下さい、すれ違ってすぐに三葉は残念そうな表情を浮かべていますが、ここで思い出されるのは、三葉が東京へ瀧君(中学生の)に出会い、声をかけた車内でのこのセリフ。
タキくん・・・瀧くん・・瀧くん・・・覚えて、ない?
2人の記憶について
実際にこのラストシーンでは、このセリフは流れていませんが、この後の「君をどこかで!」と続いた時にも、三葉が東京に瀧君に会いにいった時のこのセリフが思い出せます。
私たちは会えば絶対、すぐにわかる。
これもこのラストシーンには流れていませんが、あの時、三葉が強く願ったこの想いが成就したから、この時、三葉は感情よりも先に涙が流れたんじゃないでしょうか。
つまり、三葉は「東京へ瀧君に会いに行ったあの日と、同じような気持ちだった。」ということだと思いませんか?
ということは、社会人になった2人、瀧君は三葉の存在を「思い出せないけど、何か大切な人がいた。」まででしたが、三葉は「瀧君のことを覚えていた(知っていた)」という風に僕は思っていて、そう思いつく根拠を少しお話したいと思いますが、ここで重要になってくるのが・・・
やはりここに繋がるのか!名曲『なんでもないや』
もう少しだけでいい、もう少しだけでいい
もう少しだけでいいからくっついていようよ
引用:RADWIMPS「なんでもないや 」作詞作曲:野田洋次郎。
『なんでもないや』!!!
ちょうどこの歌詞の部分、これは劇中のシーンと重なって、瀧君の中で「少しだけでもいいから、記憶として三葉と繋がっていたい。」という感情を表していると思います。
結論。2人の記憶について
そして、三葉。
ここで少し思い出してほしいのが、劇中冒頭の二人が語り口調で話すところで、
朝、目が覚めると、なぜか泣いている。
そういうことが、時々ある。
見ていたはずの夢は、いつも思い出せない。
ただ・・・
ただ・・・なにかが消えてしまったという感覚だけが、目覚めてからも長く残る。
ずっと何かを・・・誰かを・・・探している。
そういう気持ちに取り憑かれたのは、たぶんあの日から。
あの日・・・星が降った日。
それはまるで・・・
まるで、夢の景色のように、ただひたすらに
美しい眺めだった。
冒頭では三葉が語っていますが、これは完全に瀧君視点のセリフであって、三葉が瀧君の体に入れ替わって話しているような表現だと思います。
実際に瀧君は目覚めて泣いているが三葉は泣いているようには見えないですし、そういう話し方をさせたのは、物語での2人の入れ替わりを示唆しているんだと思います。
そして、この後すぐに、
タキくん・・・瀧くん・・瀧くん・・・覚えて、ない?
というセリフに繋がりますが、このセリフは劇中に何度か流れることからも、かなり重要なセリフだと読み取れて、それだけ瀧君の心に残っているということでもあり、彗星事故から助かった三葉の中にも、ずっとこの時の心情が心に傷として残っていたんではないかと思います。
その涙の意味とは
そんな三葉が、ラストシーンである階段で声をかけられた時に泣いて笑った。
『なんでもないや』のここの歌詞です。
君は派手なクライマー その涙 止めてみたいな
だけど 君は拒んだ 零れるままの涙を見てわかった嬉しくて泣くのは 悲しくて笑うのは
君の心が 君を追い越したんだよ引用:RADWIMPS「なんでもないや 」作詞作曲:野田洋次郎。
三葉が涙を止めるのを拒んだように見えた瀧君、そう、その涙を見てわかった、
俺が探していた人(物)だ。
片割れ時で出会ったときも、三葉は泣いていました。
そう、瀧君が三葉に会ったとき、三葉は必ず泣いているんです。
だから、瀧君は、その涙を見てわかった。
そして、三葉は涙を止めるのを拒んだ。
涙を止めるということは、あのときに戻ること。
悲しくて笑った、中学生の瀧君にあった日に戻ることだったので、三葉は涙を止めることを拒み、瀧君の「涙を見てわかった」のを見て、ようやく自分の思い(覚えていてほしい)、が届いたことを理解した。
電車越しに2人が目を見開いて驚くシーンも、あれは、瀧君が三葉に気づいた表情を見せたことで、三葉は「瀧君が覚えててくれた!」と思い、驚きの表情になったと考えることが出来ます。
だから、僕は「三葉は瀧君のことを覚えていた」説を有力と考えていますが、みなさまどう思いますか??
映画と歌
それにしても、この映画の重要なシーンで流れる全ての曲が、劇中とむちゃくちゃマッチしていて、特にこのラストシーンで流れる『なんでもないや』なんか、もう、この曲を聴くためだけにこの映画を観てもいいぐらいな気さえしてしまうほどで、この曲の歌詞の表現の上手さには脱帽です。
いやーほんまにね、RAD洋次郎、この歌詞は素敵すぎひんかい!?っと。
良い曲には、聞く人その瞬間に合った映像が付いてくる。
という格言があるらしいですが、まさに!と言った感じで、ほんとうに素敵な歌詞で、素敵なシーンだと思いますし、かつてこれほど、歌と映像が上手く重なった作品があったんでしょうか?
まとめ
衝撃の映画であって僕が映画の世界にどっぷり浸かることになった作品『君の名は。』。
いやー、書き始めると、とんでもない長文になってしまった汗
他の登場人物にも魅力あるキャラクターがいっぱいです。
お色気むんむんな奥寺先輩、一番割食ってて優男全開な瀧君の友人高木君など、隅から隅まで楽しめる作品でもうお腹いっぱいどころではないですよ。いや、ほんとに。
そしてそして、三葉と瀧君、2人の関係に少し補足もしてくれてるのが天下の洋次郎さん。
この蒼くて広い世界に 無数に 散らばった中から
別々に二人選んだ糸を お互いたぐり寄せ合ったんだ結ばれたんじゃなく結んだんだ 二人で「せーの」で引っ張ったんだ
大きくも 小さくも なりすぎないように 力を込めたんだ引用:Aimer蝶々結び。作詞:野田洋次郎,作曲:野田洋次郎。
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価格:1,350円 |
ちゃっかり同時期に提供した曲に、2人を表すような歌詞を入れてくれちゃってます。ちょっと、こういうのは嬉しい発見ですね。
実際に作中の社会人になった三葉も、蝶々結びで髪を束ねていますし、劇中でも重要な言葉になっている「結び」にも繋がりますし、ほんとに、やってくれますね、野田洋次郎という男は!笑
このように、この映画自体が面白いのは間違いないですが、RADWIMPSの名曲と併せて読み取っていくと、さらに面白さを発見できる映画だと思います。
2016年上映の作品ですが、見逃している人も、もう何度も観た方はもう一度、「今から観ても遅くはありません」、2人の少しせつないような恋物語を名曲になぞって、じっくり観てみませんか?
それではノシ